2010年09月16日

アイドルコラージュ2異聞編03 〜その4〜

「あら、理璃子、どうしたの、こんな時間に?」

玄関口に絵美子が出てくる。

「あん、もう、お母さん、どうしたのじゃないわよ、いるんなら早くあけてよ。」

ふくれる理璃子。

「うふふ、ごめんなさい。ちょっととりこんでいてね・・・

 それより、理璃子、あなた学校は?」

絵美子は意味ありげに笑い、我が娘がこんな時間に帰宅したことをとりあえず訝しがってみせる。

「午後の授業が急に休講になったのよ。

 遊びに行こうとも思ったんだけど、課題がいっぱい出ちゃって・・・

これからウチでそれを片付けなくっちゃならないの」

パンプスの紐を解きながら理璃子は言う。

前かがみになっているため、絵美子からは見えないが、理璃子の顔にはあきらかにうんざりした表情が浮かんでいた。

「それは大変ね、お茶でもいれて上げるから、頑張りなさいな」

やさしく励ます絵美子。

「はーい、ありがとう、お母さん・・・・・・?」

絵美子の脇をすり抜けるように自室へ向かおうとした理璃子だが、玄関の違和感に立ち止まり、後ろを振り返った。

「あれ?・・・お父さん、いるの?」

玄関口に置かれていた男性用の黒靴を、理璃子は見逃さなかったのだ。

そこには樺崎の通勤用の革靴が、左右きちんと並べて置かれていた。

「そうなのよ、実はお父さんも会社へ行ったと思ったらすぐに帰ってきちゃってね。

なんだか調子が悪いんですって・・・

 それで熱を測ったら40度もあってびっくりなのよ。」

絵美子は理璃子に問われてそう答えた。

「ええ〜?それは大変じゃない?

 お父さん、ちょっと太りすぎなのよ。大丈夫かしら?」

会社でのイヤミ上司としての行状はともかく、家族にとって樺崎は大切な一家の大黒柱であり、理璃子にとっても尊敬すべき一人の父親なのだ。

「心配だわ・・・ちょっと様子を見てきてもいい?お母さん?」

理璃子が心配するのも無理はない。

「いいわよ、さっきお薬飲んで横になったところだから、眠っちゃっているかも知れないけれどね」

理璃子はバッグを絵美子に預け、2階の寝室へと、早足で階段を駆け上がった。

コッコッ・・・

(寝ちゃってるかしら ―?)

そう思いながらもドアを軽くノックする理璃子。

「・・・絵美子か?」

中から樺崎の声がする。

やはり体調が悪いのか、心なしかくぐもった、力のない声だ。

「あたしよ、理璃子・・・

 入ってもいい?お父さん?」

理璃子はドアノブに手を乗せて声の主に問いかける。

「ああ、理璃子か・・・いいよ、入ってきなさい」

その声に、理璃子はそのままノブを廻し、中へ入った。

「あれ?・・・なんだ、元気そうね?

 40度も熱があるって聞いたから、もっとウンウン呻っているのかと・・・」

樺崎は寝室のベッドの上で上体を起こし、文庫本のようなものを手にしていた。

その様子に、いささか拍子抜けの理璃子だった。

「ははは、40度の熱か・・・

 いや、それ以上あるかも知れない。

 それでさっきからウンウンとうなっているんだよ」

樺崎のその言葉と、理璃子の目に映る樺崎の様子が全然かみ合っていない。

「やだ、おとうさんったら・・・

 もしかして仮病なんじゃない?

 会社で何かイヤなことでもあったの?」

ホッとするような面持ちでベッドのほうへ近づく理璃子。

傍らのチェアボックスに腰をかけ、樺崎の下半身に掛かっている毛布の上から、膝を小突いた。

その振動で樺崎のメタボな腹がブルンと揺れる。

「おいおい、ひどい言われようだな・・・

 私が仮病なんか使うわけがないだろう?

 なんなら触ってみるか?すっごい熱なんだ」

その言葉に誘われ、右手をかざして樺崎の額に近づける理璃子。

「どれどれ?」

左手は自分の額に触れる。

・・・・え?・・・・

樺崎の額に自らの掌が触れた瞬間、理璃子は思わず心の中でそう呟いた。

(つ、つめたい・・・?)

熱があるどころか、まるで金属にでも触っているような、いや、少なくとも哺乳動物の体温よりも明らかに低い温度がもたらすひんやりとした感触が理璃子の右掌を襲ったのだ。

(な、なんなの・・・これ・・・お父さん・・・???)

額から手を離し、樺崎の表情に目を落とす理璃子。

目が合うと樺崎が先に口を開いた。

「そこじゃない。そんなところに熱が出るわけないだろう?

 ほれ、こっちだ、ここを触って・・・

 いや、握ってみて熱を確かめてみてくれないか?」

(え?・・・に、握って・・・って・・・?)

樺崎の言葉に虚を突かれた理璃子には、樺崎のその言葉が何を意味しているのか、理解するまでにしばし時間が必要だった。

「フフフフフ・・・」

脂ぎった貌に、突如として下卑た笑いを浮かべ始める樺崎。

その右手は毛布の中に差し入られ、ゴソゴソと何かをまさぐっている。

毛布の様子から、樺崎が胡坐を書いた格好でベッドに座しているのは想像に難くない。

しかし、その中央部分・・・

ちょうど樺崎の股ぐらの中心から、何かに持ち上げられるように毛布が隆起してるのだ。

そして樺崎のその右手の動きが何を意味しているのか、理璃子にとっても想像に難くない。

「え?ちょ、ちょっと・・・お父さん、やだ・・・

 な、なにしてるのよ・・・じょ、冗談はやめてよ・・・」

普段の樺崎からは想像もできないような言葉に、理璃子は表情を引きつらせる。

「フフフフフ・・・自分の父親のコレを握るのはイヤか?理璃子?・・・フッフフフッ!!!」

言いながらゆっくりと、左手で自ら毛布を剥ぎ取る樺崎 ―。

その下から、幾筋もの血管に隆々と彩られたむき出しの肉棒が全貌を現した。

樺崎の右手にしっかりと握られたその淫塊は、ドクドクと大きく脈打ち、その先端はしっかりと理璃子のほうへ向けられている。

「ほおれッ理璃子ッ!!握れッ!ニギれと言っとるんだぁッッ!!グゲゲゲゲッ!」

樺崎は理璃子に襲い掛からんばかりの勢いでベッド上に立ち上がる。

「や、やめッ・・・・・え?・・・」

身の危険を感じ、思わず後ずさりをする理璃子。

「・・・キャァァァァァァッッ!!!!」

我が父親の股間から顔へ、視線を移した理璃子が絹を劈くような悲鳴を上げた。

樺崎のその貌が見る見る醜悪なゴキブリへと変態してゆくのだ。

濁りがかったピンク色の肉棒も、その変態に合わせてドス黒い光沢を持った禍々しい黒色棒へと変化していった。

つづく



Posted by sayaka_saotome at 23:59│Comments(4)
この記事へのコメント
待ってましたの再開。休養明けで,どんだけパワーアップしたのか楽しみでしたが,やっとゴキブリ男とご対面という処で続く。って,理璃子編,前振りナガっ!まぁ,気長に待ちましょう(笑)
Posted by 悪堕ちキッド at 2010年09月17日 07:12
悪堕ちキッドさん、こんにちは!
あはは、きびし〜!
ごめんなさい。
そうですよねー、休養明けですからそりゃ期待されますよねー。
それはそれで嬉しいのですが、一気に完結まで投下しようとしたら、またしても文字数制限にひっかかり、今回の投下量となってしまいました・・・orz
なんででしょうねーライブドア。
どう見たって15000文字もないでしょ。
1500文字ならまだわかりますけどねーww
というわけで、細々と投下してゆきますのでどうぞ末永くお付き合い下さい(なんだそれww)
Posted by 沙弥香 at 2010年09月17日 07:27
あれっ!?ちょっとキツかったですか?それは,愛のムチという事で勘弁して下さい(笑)
Posted by 悪堕ちキッド at 2010年09月17日 20:16
悪堕ちキッドさん、こんばんは!
いやぁん、愛のムチですってぇ・・・
沙弥香感じちゃうわww
もっとキッツいことおっしゃってくださいな〜ウフフフフ
Posted by 沙弥香 at 2010年09月17日 22:38