2010年09月18日

アイドルコラージュ2異聞編03 〜その6〜 最終回

「あ、あああ・・・いや・・・
 な、なに?・・・何かがカラダの中から・・・きゃぁッ!」
バリバリと音を立てて理璃子の衣服を突き破り、その両脇腹から無数の節くれだった足がニョキニョキと生えてくる。
見るからに節足動物の体の一部といった趣の禍々しい造形の肢だった。
理璃子自身の両手、両脚にも変化が訪れる。
ピキピキという硬質の音とともに、理璃子の皮膚は弾力を失ってゆき、ツヤツヤの外骨格に覆われる。
ひじなどの関節部分は大げさに盛り上がり、こちらも節足動物のそれのような禍々しさを備え始める。
太腿の部分は女らしい艶(なまめ)かしさを残したまま膝の部分が盛り上がり、短い角のような突起が完成する。
新たに生えた節足は13対、そして、理璃子の両手両脚、合わせて15対 ―
それはあの節足動物の肢の数と同じである。
そう、ゲジゲジ ―
理璃子はゲジゲジの女魔怪人に改造されているのだった。
「ひッ・・・ひぃぃぃぃッ・・・」
わが身の変貌に錯乱し、すっかり節足動物のそれと化した両手で、頭を抱える理璃子。
しかし、理璃子の意思とは無関係に、逞しい外骨格に覆われた両足はしっかりと床を踏み据えている。
さらに、新たに生えた13対の節足は、自らの衣服をビリビリと剥ぎ取ってゆくのだ。
レイプのような悲痛な音を立てながら、理璃子の素肌が魔怪人たちに晒されてゆく。
「や、やめてぇ!ひぃぃ!なんなの?これ?い、い、いったい・・・!?」
露出された理璃子の魅惑的な括れを持ったボディライン、美しい腹部、それらにもグロテスクな変化が訪れる。
理璃子のしっとりとした肌ツヤは瞬く間に失われ、代わりにツヤツヤとした外骨格のような皮膚質に変化してゆく。
それは次第に蛇腹のように層をなしてゆき、理璃子の美しいプロポーションを保ったまま、奇怪な皮膚質が理璃子の全身を覆ってゆく。
すでに背中にもビッシリと蛇腹が形成され、クイっとせり上がった扇情的なヒップに沿って2本の卵管がニョっきりと突き出している。
「ああ・・・あああ・・・アタシ・・・の、カラ・・・ダ・・・」
理璃子は次第に虚ろな目つきになってゆく。
すでに叫び声をあげることもなく、そこまで言うのが精一杯だ。
直後に理璃子の顔にも変化が訪れた。
恐怖と絶望に苛まれたそれまでの表情は、全身が蛇腹状の皮膚質に覆われるころにはすっかりと消えうせていた。
そして、おもむろに大きく目を見開くと、グリグリという音を立てながら眼球を動かし始めたのだ。
理璃子の眼球の動きは次第にスピードを増し、さらにドクンドクンと膨張してゆく・・・・

・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ビョコッ!!

この世のものとは思えない奇怪な音とともに、理璃子の眼球が眼孔から飛び出す。
そしてそのままベッチャリと理璃子の顔の上半分を覆ってゆく。
張り付いた眼球は直ちにツヤツヤの硬質の触感に変質し、表面を細かい凹凸で覆われた巨大な複眼と化す。
理璃子の半開きの口元からは鋭い牙が伸び始め、その隙間からは、すでに先の割れた真っ赤な舌がチロチロと蠢いているのが見える。
額からは2本の長い触角が天井に向かって生え、フルフルと空気を震わせていた。
最後にはその全身が美しい紫色に染まりあがる・・・
「おとなしくなったな。ククク・・・どうやら完成したようだ。
 理璃子・・・いや、違うな、フフフ・・オマエは何者だ?
 言ってみるがいい、我が娘よ・・・グゲゲゲゲッ!」
ゴキブリブラウンは、目の前の、おぞましくも美しい女体曲線を持つ奇妙な造形に、舌なめずりをしつつ近づきながら問いかける。
この素晴らしいコラージュを作り上げたオレンジスズメバチのセンスの良さにもすっかり感心している様子だ。
すでに理璃子は、体の震えもおさまり、ピクリともせずにその場に直立している。
そして、リビングを埋めつくす3体の魔怪人を前に怯える様子もなく、ゴキブリブラウンの問いかけに、理璃子は高らかに言うのだった。
「ゲジゲジゲジィィィッ!!!アタシはデスエロンの女魔怪人ゲジゲジバイオレット!クフフッ!!
 お父様!すごいワッ!最高の気分よッ!ゲジゲジゲジィィィッ!!」
歓喜の嬌声とともに誇らしげに名乗りを上げる。
コラージュは完璧に成功し、理璃子は今や身も心もすっかり変貌していたのだった。
「ビビビビビィィ!どうやら気に入ってもらえたようね、理璃子ちゃん・・・いえ、ゲジゲジバイオレット!」
パタンとノートパソコンのモニターを閉じるオレンジスズメバチ。
女魔怪人を生み出す楽しさを初めて味わい、すっかり満足している様子だ。
「ウフフフ、素晴らしい出来だわ・・・ねぇ?アナタ?
 あらあら、この娘ったら、もうアソコがグッショリじゃない?
 いつからそんなはしたない娘になったのかしら?」
変態と同時に極度に発情している娘の股間の溢液を見逃さないグリーンカマキリだった。
「ゲジゲジゲジィィィッ!!イジワルね、お母様ったら・・・ウフフフフッ!
 お父様のコレ、もちろん理璃子にも味わわせてくださるんでしょう?」
いつの間にか理璃子、いやゲジゲジバイオレットは自分の実の父親であるゴキブリブラウンに寄り添い、彼の逞しい股間の隆起物に手を添えている。
「グゲゲゲゲッ!当然だ!ゲジゲジバイオレット!
 我ら魔怪人には親子のタブーなど存在しない!
 グリーンカマキリよ!今夜は3人で酒池肉林だ!グゲゲゲゲッ!」
そこまで言うと、これまで以上に股間のイチモツを硬くギンギンに勃起させるゴキブリブラウン。
ゲジゲジバイオレットの手の中でムクムクとさらに一回り、ゴキブリブラウンの肉棒が成長する。
「ウフフフ、嬉しいわ、ゲジゲジバイオレットの誕生祝いってとこね・・・
 いっしょに楽しみましょう・・・キリキリキリィッ!!!」
すでにグリーンカマキリの秘唇もヌメヌメになっており、股間を中心に魅惑的な淫猥ローションがジットリと、その美しい緑の肢体に染み広がっている。
「嬉しいわ!今夜はメチャクチャに乱れるわよッ!ゲジゲジゲジィィィッ!!!」
ゴキブリブラウンの黒極棒をしごきながら涎を垂らして喜ぶゲジゲジバイオレットだ。
「ちょっとゴキブリブラウン、何よ3人って、なんか今日はやたらアタシに冷たいじゃない?」
オレンジスズメバチが不満たっぷりに問いかける。
ゴキブリブラウンは、これから始まる愛妻と愛娘との3Pに気もそぞろで、オレンジスズメバチの存在をすっかり忘れていたのだ。
「グゲゲゲゲッ!これはまずいッ!
 またしても忘れていたぞ、オレンジスズメバチ!
 悪気はないんだ、許してくれ!グゲゲゲゲッ!
 我が娘とヤレると思うともうたまらなくてな!グゲゲゲゲッ!」
巨体を揺すり、それでいてゴキブリのようにセカセカした動きでオレンジスズメバチに頭を下げるゴキブリブラウン。
「フンだ、先走りし過ぎなのよ、ゴキブリブラウンったら。
 だいたい理璃子ちゃんを素敵に変態させたのはアタシなんだからねッ」
オレンジスズメバチはご機嫌ナナメのままだ。
「先走り!?グゲゲゲゲッ!なるほど!先走りか!
 そうそう、それだよ!オレンジスズメバチ!
 ついつい先走りしてしまってなぁ!
 ホレ、見てくれ!この先走り汁を!グゲゲゲゲッ!」
「あんッ!キャッ!」
いつの間にかゴキブリブラウンの股間に跪いていたゲジゲジバイオレットが、可愛くも驚いたような声を上げた。
まるで射精のような勢いの先走り汁が、ゴキブリブラウンの肉棒から噴出し、ゲジゲジバイオレットの顔面に命中したのだ。
猥らな催淫剤のような香りの液体が、ゲジゲジバイオレットの顔面をびしょびしょにぬらしてゆく。
「プフフッ!すごいわ!お父様ったら!
 先走りでコレですものね!
 早く本物のザーメンをアタシのおマ○コにたっぷりと頂きたいわ!ゲジゲジゲジィッ!!」
狂喜の鳴き声を発しながら、ゲジゲジバイオレットは少しの躊躇もなくゴキブリブラウンの巨根にむしゃぶりつく。
「んぐ・・・むぐぅ・・・フフフ、おいしいわぁ・・・」
先走り汁でビショビショになった顔面を淫らに歪めながら、巧みにゴキブリブラウンの巨根をねぶるゲジゲジバイオレット。
グリーンカマキリもたまらず、ゲジゲジバイオレットの後ろから我が娘にしがみつき、その巨乳を揉みしだきにかかる。
すでにオレンジスズメバチの「抗議」などどうでもよくなったゴキブリブラウンは、そのままゲジゲジバイオレットの頭を両手で押さえ込み、イマラチオをさせるような勢いでグリグリと、みずからの巨棒をゲジゲジバイオレットの喉奥へと押し込んでゆく。
ゲジゲジバイオレットはそんな暴挙などものともせず、ゲジゲジらしく首の蛇腹部分をたっぷりと延ばし、ほとんど食道の半分ほどまでビッシリと、ゴキブリブラウンの一物を飲み込み、それでもまだ余裕たっぷりの表情なのだ。
そして今度はゲジゲジバイオレットが責め立てる番だ。
食道部分を激しく蠕動運動させ、ゴキブリブラウンの肉棒に極絶な刺激を捩じりこみ、狂ったように歓喜の身もだえで全身の節足をザワめかせるのだ。
これではゴキブリブラウンもたまらない。
どんな名器の陰唇奥でも敵わないような悦感をもたらす究極のフェラチオである。
「ウッ・・・ウォォォォッ!たまらんぞッ!
 さすが我が娘、ゲジゲジバイオレットだッ!グゲゲゲゲッ!」

ズミュッ・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
ドピュルルルルルルルル!!!

ものすごい量のザーメンがゲジゲジバイオレットの喉奥から胃袋へと直射される。
ゲジゲジバイオレットはそれでも喉奥の蠕動をやめない。
ゴキブリブラウンの肉棒がスカスカになるまで、その精を搾り取るかのような勢いだ。
あまりの快感に全身を痙攣させているゴキブリブラウンを、呆れたような視線で見やるオレンジスズメバチは、
「ふん、いいわよ、第2ラウンドはアタシも楽しませてもらうからね。
とりあえずアタシは・・・フフフ、グリーンカマキリっと・・・」
と、我が娘の巨乳の感触をゆっくりと楽しんでいたグリーンカマキリの後ろからしがみつく。
そして、魅惑的に大きく突き出たグリーンカマキリの臀部から腹部にかけての豊かな膨らみを、4本の腕でまさぐり、敏感な亀裂を探り当てる。
そこへ自らの臀部からニュルニュルと伸ばした触手卵管を挿入するのだ。
「ああッ!オレンジスズメバチったらッ!・・・
 それ、反則よッ!・・・ダ、ダメッ!ああんッ!」
あまりの快感に思わず我が娘の乳房から両手を離してしまい、たまらず自分の股間へと手を充てるグリーンカマキリ。
「ウフフ、とりあえずゴキブリブラウンの黒棒はお誕生祝いってことでゲジゲジバイオレットに譲ってあげるわ。
 アタシタチはこれで・・・ね?グリーンカマキリ?」
グニグニと、触手卵管をグリーンカマキリの最奥へと押し込みながら、あとからあとから溢れ出る甘蜜を吸い取り、自分にもグリーンカマキリのボディにもそれを塗りたくりながら、熱い吐息とともにグリーンカマキリを誘うオレンジスズメバチ。
「はぁぁん・・・そうねぇ・・・
 オレンジスズメバチの秘技でこうも責められちゃアタシもたまらないわぁ・・・
 ええ、いいわ、オレンジスズメバチ。
 こっちはこっちで楽しみましょう・・・フフフ・・・キリキリキリィィッ!!」
こうして、娘の理璃子もデスエロンの女魔怪人ゲジゲジバイオレットと化し、一家3人、いや、オレンジスズメバチも加えた4匹で、いつ果てるとも知れぬ狂宴が繰り広げられるのだった。
その後、ゴキブリブラウンはその地域におけるデスエロンの「細菌培養散布計画」を着実に進行させ、その街中にある種の特殊な細菌を、人知れず蔓延させることに成功したのであった。
その「ある種の特殊な細菌」とは・・・

完(アイドルコラージュ異聞編4に続く)  

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2010年09月17日

アイドルコラージュ2異聞編03 〜その5〜

「い・・・いやぁぁぁぁぁッ!!!お、お父さんッ??
 な、なんなのッ・・・?ご・・・ゴキブリッ・・・!!??
 お父さんがゴキブリのバケモノにッ!?」
腰が抜けたようにガクガクと膝頭を震わせ、その場にへたり込んで後ずさりを始める理璃子。
「グゲゲゲゲッ!この灼熱の肉棒でオマエの肉壷をかきまわし、気も狂わんほどの快楽をご馳走してやるわッ!
 ほぉれ!理璃子!こっちへ来るがいいぃぃ!グゲゲゲゲッ!」
右手で股間の凶器を握り締め、左手で理璃子の腕を掴み自前へ引き寄せる。
肉棒を激しく扱き、我が娘の眼前へと突きつけるゴキブリブラウンに、美しい顔を恐怖で引きつらせる理璃子だ。
「いやぁぁぁぁ!!!やめてぇッ!!だ、だれかッ!たすけてッ!!」
理璃子はゴキブリブラウンと化した樺崎の腕を振り払い、廊下へ駆け出す。
そして、絵美子のいるリビングへと階段を駆け下りた。
「あッ、お母さんッ!助けてぇッ!」
リビングのドアを開け、中に入るなり、絵美子の姿を見つけた理璃子は大声でそう叫んだ。
「理璃子?、どうしたの?お父さんがどうかしたの?」
理璃子の慌てように、絵美子も驚いて思わず声高になった。
「お、お父さんがッ!・・・ば、バケモノにッ!!
 ゴキブリのバケモノになっちゃったのよ!」
リビングのドアをバタンと閉め、そこへ背中を押し付けて息を切らす理璃子。
そんな理璃子の様子に、絵美子はしばし事の次第が飲み込めていない風情だった。
「なんですって?お父さんがゴキブリのバケモノにですって・・・?」
あっけにとられて聞き返す絵美子。
しかし、理璃子は至って真剣だ。
「こ、こわいッ!お母さん、逃げなくっちゃ!
 すぐに2階からあのバケモノが降りてくるわッ!」
呆れたような面持ちで理璃子を見やる絵美子を、理璃子は激しく促すように絵美子の腕をとる。
そして、階段のある廊下とは反対側のリビングの窓を開け、据え置きのサンダルに足をかけようとする。
が、しかし ―

・・・グイィッ・・・!!!

・・・え?・・・
「キャァッ!!!」
ふいに理璃子はものすごい力によって絵美子のほうへ引き寄せられたのだった。
絵美子は、理璃子の腕に自分を任せようとはせず、そればかりか、外へ逃げようとする理璃子の腕を逆に掴みなおし、わが身のほうへと引き寄せたのだ。
信じられない強さの力で強引に絵美子のほうへと引き戻された理璃子は、なすすべもなく絵美子の懐へ抱きかかえられる格好になる。
「お母さん・・・なにを?・・・」
「大丈夫よ、理璃子、ほら、落ち着きなさい。
 おとうさんはバケモノになんかなったわけじゃないわ」
理璃子をやさしく抱き寄せる絵美子の口から、意外な言葉が紡ぎ出された。
「ど・・・どういうこと?バケモノじゃない・・・って?」
理璃子は絵美子の言葉が信じられない。
(あのゴキブリがバケモノじゃないって・・・?
 お母さんは何を言っているの?
 きっとあたしの言っていること信じていないんだわ・・・。
 すぐにあのバケモノがここに来るに違いないのに!
 あれを見れば信じるんでしょうけど、それじゃ遅いのよ、逃げ遅れるわ!)
そう思った理璃子は再び絵美子の手を掴み立ち上がろうとする。
「お母さんッ!!早くッ!・・・早く逃げるのよッ!逃げましょうッ!」
(細かい説明は後だわ、とにかく逃げなくっちゃ!)
そう思い、絵美子の腕の中から体を起こそうとする理璃子だったが、絵美子はもの凄い力で理璃子を抱きしめたまま、微動だにしない。
そして、相変わらずうっすらと笑みすら浮かべ、涼しげな表情を理璃子に向けている。
(な、なんなの・・・この力・・・?
 お母さんったら、こんなに力、強かったかしら?)
理璃子は絵美子の様子に次第に不安が募ってくる。
お母さんの様子もなんだか変だ・・・
「ええ、化け物なんかじゃないの。
 アタシタチの仲間なんだから!ふふふふふッ!」
絵美子は声を上げて笑みをこぼす。
その途端、絵美子の貌にはそれまでの涼しげな表情は消え失せ、下卑た薄ら笑いを湛えた猥らな眼差しと妖艶な口元がいちどきに浮かび上がってきた。
「お、お母さん、何を言ってるの・・・?
 ・・・ひぃッ!?」
理璃子の眼前で見る見る変貌する絵美子の顔。
目は眼孔から飛び出し、顔の上半分につぶれて貼り付いて大きな複眼に再形成され、顔の輪郭はガクガクと激しい痙攣とともに逆三角形の残忍肉食昆虫の造形へと変貌してゆく。
口は大きく縦に裂け、左右に禍々しく開閉する大顎と化した。
いや、顔だけではない。
いつのまにか理璃子を抱きすくめている絵美子の両腕は、凶暴な光を放つ緑色の鋭い大鎌へと変貌している。
理璃子のふくよかな胸にその大鎌はがっしりと食い込み、衣服の上からブラジャーもろとも形の良い乳房を大きく変形させてしまっている。
「キャァァァァッ!!!お、お母さんッ!・・・
 お母さんまで・・・バ、バケモノにッ!!」
恐怖が頂点に達し、あらん限りの悲鳴を上げる理璃子。
「キリキリキリィィィッ!!!失礼ねッ!
 言ったでしょ!?アタシタチはバケモノなんかじゃないわ!
 お父さんはゴキブリ型の魔怪人、そしてこのアタシはカマキリ!
 二人ともデスエロンの魔怪人なのよッ!キリキリキリィィッ!!」
眼前で大顎をバクバクと動かし、涎を垂らしながら我が娘を睨み付ける絵美子、いや、グリーンカマキリだ。
あまりの恐怖で声も出せない理璃子。
グリーンカマキリの大鎌に押さえつけられたまま、身動きすらできない状態だ。
「キリキリキリィッ!!おやおや、そんなに怖がる必要はないのよ、理璃子・・・
 フフフ、安心おし!オマエもステキな女魔怪人にしてあげるからねぇッ!!キリキリキリィッ!!」
(な、何言っているの?あ、あたしも?まかいじん?)
理璃子には何がなんだかわからない。
「グゲゲゲゲッ!その通りだ理璃子、安心するがいい。
 コラージュソフトの解析ではオマエは適性アリと出ている。
 オマエも我らがデスエロンの仲間となる素質アリだ。
 それに何より、オマエは我々のカワイイ娘だからなぁ。
 このオレ様がオマエを飛び切りおぞましく素敵な女魔怪人にしてやるぞ。
 嬉しいか!?グゲゲゲゲッ!!」
いつのまにかリビングに入ってきたゴキブリブラウン。
グリーンカマキリの話について行けずに混乱している理璃子に、ゴキブリブラウンがたたみかけた。
その手の中にはノートパソコンがコラージュソフトを立ち上げ、すでにデータの入力を今か今かと待ち受けている状態だった。
「あ・・・あああ・・・」
(ゴキブリのバケモノまで・・・も、もう助からないわ・・・)
理璃子は恐怖のあまり、うめき声をあげるのがやっとだ。
そんな理璃子の様子をどこか涼しげに眺めながら、カタカタっとPCを操作するゴキブリブラウン。
「ちょっと待ってよ、ゴキブリブラウン。
 それ、アタシにやらしてくれるって言ってたじゃない?」
ゴキブリブラウンの背後から声がする。
「ひぃぃ・・・」
理璃子が、その声の主にさらに恐怖を増加させる。
そこには全身オレンジ地と黒のストライプが入った美しい毛に覆われ、4枚の羽をうっすらと広げた、異型の存在が立っていたのだった。
「グゲゲゲゲッ!オレンジスズメバチか?!ワルイワルイ!
 我が娘を改造できると思うとこの肉棒が言うことを聞かなくてなッ!
 早く理璃子をコラージュしろといって聞かないのだ!グゲゲゲゲ!」
わけの解らぬ下卑た言い訳をするゴキブリブラウン。
ゴキブリらしい変わり身の早さだ。
「フンだ、勝手なこと言っちゃって・・・
 ちゃんと約束は守ってもらうわよ、
 アタシだってこのソフト使うの、楽しみにしていたんだからね」
ツカツカとゴキブリブラウンのほうへ歩み寄るオレンジスズメバチ。
同心円上の黒い縞模様に彩られた巨乳が、ユッサユサと揺れる。
そのたびに蜂蜜の甘い香りが、魔怪人の巣窟と化したリビングの空気に溶け込んでゆく。
「グゲゲゲゲッ!わかったわかった!
 ほれ、やってみろ!オレンジスズメバチ!
 ただし頼んだぞ、理璃子は俺たち夫婦の可愛い娘だ!
 飛び切りおぞましい女魔怪人にコラージュしてくれよ?グゲゲゲゲッ!」
PCをオレンジスズメバチに手渡しながら理璃子にとって絶望的な言葉を放つゴキブリブラウン。
「ウフフ・・・もちろんよ、任せてちょうだい、ゴキブリブラウン。
 もう何とコラージュするのか、決めているんだから・・・
 なんたって、樺崎さんご夫婦のこんなにカワイイ娘さんですものねぇ?ビビビビィィィッ!!」
オレンジスズメバチは釣り上がった両複眼をさらに釣りあがらせ期待に胸を膨らませる。
そしてゴキブリブラウンから受け取ったノートパソコン上のキーをカタカタと操作し始める。
PCの画面には、すでに、理璃子の全身とおぞましい生物が並べられていた。
理璃子はこの生物との融合体としての女魔怪人に改造されるのだ。

・・・カタカタ・・・カタンッ・・・!

「ひゃ・・・・ひゃうぅっ・・・んッ!!!」
オレンジスズメバチがエンターキーを押下する音と同時に、それまでの恐怖によるうめき声とは明らかに違う異声を放った。
理璃子のコラージュが始まったのだ。
PCにインストールされているコラージュソフトはもちろん最新バージョン。
首の挿げ替えなどといった面倒なプロセスなしに、対象の人物を魔怪人にコラージュすることが可能になっている。
絵美子も奈津美も、この最新版であっという間に女魔怪人にコラージュされたのだ。
理璃子のボディにも直ちに変化が訪れた。
グリーンカマキリがその大鎌から理璃子を解放する。
硬直した理璃子の体は、くず折れることなしにその場に立ち竦んでいた―

つづく  
Posted by sayaka_saotome at 22:30Comments(4)

2010年09月16日

アイドルコラージュ2異聞編03 〜その4〜

「あら、理璃子、どうしたの、こんな時間に?」

玄関口に絵美子が出てくる。

「あん、もう、お母さん、どうしたのじゃないわよ、いるんなら早くあけてよ。」

ふくれる理璃子。

「うふふ、ごめんなさい。ちょっととりこんでいてね・・・

 それより、理璃子、あなた学校は?」

絵美子は意味ありげに笑い、我が娘がこんな時間に帰宅したことをとりあえず訝しがってみせる。

「午後の授業が急に休講になったのよ。

 遊びに行こうとも思ったんだけど、課題がいっぱい出ちゃって・・・

これからウチでそれを片付けなくっちゃならないの」

パンプスの紐を解きながら理璃子は言う。

前かがみになっているため、絵美子からは見えないが、理璃子の顔にはあきらかにうんざりした表情が浮かんでいた。

「それは大変ね、お茶でもいれて上げるから、頑張りなさいな」

やさしく励ます絵美子。

「はーい、ありがとう、お母さん・・・・・・?」

絵美子の脇をすり抜けるように自室へ向かおうとした理璃子だが、玄関の違和感に立ち止まり、後ろを振り返った。

「あれ?・・・お父さん、いるの?」

玄関口に置かれていた男性用の黒靴を、理璃子は見逃さなかったのだ。

そこには樺崎の通勤用の革靴が、左右きちんと並べて置かれていた。

「そうなのよ、実はお父さんも会社へ行ったと思ったらすぐに帰ってきちゃってね。

なんだか調子が悪いんですって・・・

 それで熱を測ったら40度もあってびっくりなのよ。」

絵美子は理璃子に問われてそう答えた。

「ええ〜?それは大変じゃない?

 お父さん、ちょっと太りすぎなのよ。大丈夫かしら?」

会社でのイヤミ上司としての行状はともかく、家族にとって樺崎は大切な一家の大黒柱であり、理璃子にとっても尊敬すべき一人の父親なのだ。

「心配だわ・・・ちょっと様子を見てきてもいい?お母さん?」

理璃子が心配するのも無理はない。

「いいわよ、さっきお薬飲んで横になったところだから、眠っちゃっているかも知れないけれどね」

理璃子はバッグを絵美子に預け、2階の寝室へと、早足で階段を駆け上がった。

コッコッ・・・

(寝ちゃってるかしら ―?)

そう思いながらもドアを軽くノックする理璃子。

「・・・絵美子か?」

中から樺崎の声がする。

やはり体調が悪いのか、心なしかくぐもった、力のない声だ。

「あたしよ、理璃子・・・

 入ってもいい?お父さん?」

理璃子はドアノブに手を乗せて声の主に問いかける。

「ああ、理璃子か・・・いいよ、入ってきなさい」

その声に、理璃子はそのままノブを廻し、中へ入った。

「あれ?・・・なんだ、元気そうね?

 40度も熱があるって聞いたから、もっとウンウン呻っているのかと・・・」

樺崎は寝室のベッドの上で上体を起こし、文庫本のようなものを手にしていた。

その様子に、いささか拍子抜けの理璃子だった。

「ははは、40度の熱か・・・

 いや、それ以上あるかも知れない。

 それでさっきからウンウンとうなっているんだよ」

樺崎のその言葉と、理璃子の目に映る樺崎の様子が全然かみ合っていない。

「やだ、おとうさんったら・・・

 もしかして仮病なんじゃない?

 会社で何かイヤなことでもあったの?」

ホッとするような面持ちでベッドのほうへ近づく理璃子。

傍らのチェアボックスに腰をかけ、樺崎の下半身に掛かっている毛布の上から、膝を小突いた。

その振動で樺崎のメタボな腹がブルンと揺れる。

「おいおい、ひどい言われようだな・・・

 私が仮病なんか使うわけがないだろう?

 なんなら触ってみるか?すっごい熱なんだ」

その言葉に誘われ、右手をかざして樺崎の額に近づける理璃子。

「どれどれ?」

左手は自分の額に触れる。

・・・・え?・・・・

樺崎の額に自らの掌が触れた瞬間、理璃子は思わず心の中でそう呟いた。

(つ、つめたい・・・?)

熱があるどころか、まるで金属にでも触っているような、いや、少なくとも哺乳動物の体温よりも明らかに低い温度がもたらすひんやりとした感触が理璃子の右掌を襲ったのだ。

(な、なんなの・・・これ・・・お父さん・・・???)

額から手を離し、樺崎の表情に目を落とす理璃子。

目が合うと樺崎が先に口を開いた。

「そこじゃない。そんなところに熱が出るわけないだろう?

 ほれ、こっちだ、ここを触って・・・

 いや、握ってみて熱を確かめてみてくれないか?」

(え?・・・に、握って・・・って・・・?)

樺崎の言葉に虚を突かれた理璃子には、樺崎のその言葉が何を意味しているのか、理解するまでにしばし時間が必要だった。

「フフフフフ・・・」

脂ぎった貌に、突如として下卑た笑いを浮かべ始める樺崎。

その右手は毛布の中に差し入られ、ゴソゴソと何かをまさぐっている。

毛布の様子から、樺崎が胡坐を書いた格好でベッドに座しているのは想像に難くない。

しかし、その中央部分・・・

ちょうど樺崎の股ぐらの中心から、何かに持ち上げられるように毛布が隆起してるのだ。

そして樺崎のその右手の動きが何を意味しているのか、理璃子にとっても想像に難くない。

「え?ちょ、ちょっと・・・お父さん、やだ・・・

 な、なにしてるのよ・・・じょ、冗談はやめてよ・・・」

普段の樺崎からは想像もできないような言葉に、理璃子は表情を引きつらせる。

「フフフフフ・・・自分の父親のコレを握るのはイヤか?理璃子?・・・フッフフフッ!!!」

言いながらゆっくりと、左手で自ら毛布を剥ぎ取る樺崎 ―。

その下から、幾筋もの血管に隆々と彩られたむき出しの肉棒が全貌を現した。

樺崎の右手にしっかりと握られたその淫塊は、ドクドクと大きく脈打ち、その先端はしっかりと理璃子のほうへ向けられている。

「ほおれッ理璃子ッ!!握れッ!ニギれと言っとるんだぁッッ!!グゲゲゲゲッ!」

樺崎は理璃子に襲い掛からんばかりの勢いでベッド上に立ち上がる。

「や、やめッ・・・・・え?・・・」

身の危険を感じ、思わず後ずさりをする理璃子。

「・・・キャァァァァァァッッ!!!!」

我が父親の股間から顔へ、視線を移した理璃子が絹を劈くような悲鳴を上げた。

樺崎のその貌が見る見る醜悪なゴキブリへと変態してゆくのだ。

濁りがかったピンク色の肉棒も、その変態に合わせてドス黒い光沢を持った禍々しい黒色棒へと変化していった。

つづく

  
Posted by sayaka_saotome at 23:59Comments(4)

2010年09月09日

アイドルコラージュ2異聞編03 〜その3〜

オレンジスズメバチの超絶テクニックによって与えられる、その痛いような疼くような刺激に、ますます興奮したゼリー幼虫は、あとからあとから、良質のローヤルゼリーを分泌してゆく。

やがて、オレンジスズメバチの口に余った特濃ローヤルゼリーは、ボタボタと床に滴り落ちる。

「ビビビビビィッ!!!ウフフッ!おいしいよ、オマエ!今夜はとくにね!

 ほら、グリーンカマキリ!ゴキブリブラウン!もったいないわヨ!アナタたちも召し上がって頂戴!」

口の端からトロトロとローヤルゼリーを噴きこぼしながらオレンジスズメバチはグリーンカマキリとゴキブリブラウンにゼリーを薦める。

「グゲゲゲゲッ!こんなの飲んだらコレがますます言うことを聞かなくなりそうだな!グゲゲゲゲッ!」

ゴキブリブラウンが肉棒を揺すりながらオレンジスズメバチの後ろに廻る。

前からはグリーンカマキリが抱きつく。

「アアンッ!ゴキブリブラウンったら、油断も隙もないんだからぁッ!」

オレンジスズメバチが再び甘く切ない嬌声を上げた。

ゴキブリブラウンが、後ろからオレンジスズメバチの腕を振り払い、代わりにその巨乳を鷲署ルみにして揉みしだき始めたのだ。

グリーンカマキリはガバっと大鎌を開き、今度はオレンジスズメバチの肉感溢々とした尻肉にその刃を食い込ませ、グニグニと尻肉を変形させて楽しんでいる。

すでに一度軽く絶頂を迎えているオレンジスズメバチは、全身性感帯と化し、尻肉からの痛痒悦感にすら、その股間を濡れそぼらせる。

「ヤダッ・・・うそぉ?!今度は二人がかり!?

 いくらアタシがゼリーを飲んでいるからって・・・・!ダ、ダメッ・・・!!・・・アアアアンッ!!」

立て続けに不意打ちを食らったオレンジスズメバチは、すっかり狂楽の深淵へと沈み込み、野獣のような咆哮すら上げ、全身で淫悦を吸収してゆく。

ゴキブリブラウンとグリーンカマキリも特濃ローヤルゼリーを大量に摂取して精力絶倫の魔怪人と化し、さらにオレンジスズメバチを責め立てる。

3匹の淫激な一夜はまだ始まったばかりなのだ。

   *************

ピンポーン・・・


不意にドアホンが鳴る。

「あら?誰かしらこんな時間に・・・?せっかくいいところなのに・・・」

オレンジスズメバチが鋭い牙を左右に開閉し、ガチガチ鳴らしながら不満そうに顔をあげる。

ゴキブリブラウンの肉棒に頬を摺り寄せて、その甘美な肉質を、時折覗かせる真っ赤な舌でチロチロと弄繰り回す楽しみを中断されて機嫌が悪い。

「まったくだわ、宅配かしら?アタシの鎌でぶった切ってやろうかしら?」

オレンジスズメバチと交互にゴキブリブラウンの肉棒の卑淫な肉質をその舌で味わい、合間にオレンジスズメバチと濃厚なレズキスを交わしていたグリーンカマキリも不満げに貌を上げる。

しかし、どこか嬉しそうに鎌を舐めるグリーンカマキリだ。

人間だった頃の絵美子からは想像もできない仕草と台詞だった。

「どれどれ、どんなやつがアタシの鎌の餌食になるんだろうねぇ?」

そう言いながら、グリーンカマキリがインターホンのスイッチを入れる。

直ちに、壁掛けのモニターに玄関の様子が映し出された。

「まぁ、理璃子だわ・・・どうしたのかしらこんな時間に・・・」

モニターに映し出されたその人物の顔を見るなり、口元を卑猥に歪め舌なめずりをするグリーンカマキリ。

モニターの画面には絵美子と樺崎の実の娘である女子大生、理璃子の姿があった。

「どうした?グリーンカマキリ?」

ゴキブリブラウンが尋ねる。

「まだ大学の時間のはずなのに、理璃子が帰ってきちゃったのよ。

 どうするの?アナタ?」

グリーンカマキリが鎌をゆっくりと振りかざしながらゴキブリブラウンを振り返った。

「ふむ・・・そうか、そうだな・・・

 そろそろどうだ?いいんじゃないか?!グゲゲゲゲッ!」

突然笑い出すゴキブリブラウン。なにか企みがあるようだ。

「いいって何が?あの子を切り刻んでもいいってことかしら?フフフ・・・

 実はアタシ、もうずっと前から人間どもを切り刻みたくってたまらないのよ!キリキリキリィィッ!!!」

絵美子は両腕の鎌をバチバチと開閉させ、大あごの内側からよだれをだらだらと垂らしている。

左右に開いた鋭い牙が唾液でしとどに濡れている。

「ククク・・・そうではない。

 我慢しろ、グリーンカマキリ。俺たちデスエロンは単なる殺戮集団じゃない。

 勝手に騒ぎを大きくしては大首領からお目玉を食らうぞ。

 こういうことはまずコラージュソフトにお伺いを立ててからだ。

 それに、せっかくだ。理璃子でたっぷりと遊んでやろうじゃないか?ええ?グゲゲゲゲッ!!」

そこまで言うと、ゴキブリブラウンはさらに激しく巨根をゆすり、オレンジスズメバチとグリーンカマキリの唾液と先走り汁が入り混じった淫らな液体をあたりに飛沫した。

「ふん、しょうがないわねぇ・・・アナタ、自分の娘に欲情しちゃってるんでしょ?」

ゴキブリブラウンの企みを理解したグリーンカマキリは、半ばあきれながら、しかし、これから始まるであろう背徳な魔怪人の宴を想像し、うっすらと笑みを浮かべて鎌を納める。

「もちろんだ!悪いか!理璃子はオマエに似ていい女に育ったからな!グゲゲゲゲッ!」

あたりをはばからず自らの娘への欲情を露わにするゴキブリブラウン。

「ふふふ、悪いワケないわ・・・

 わかったわ、いいわよ、アナタがそう言うんならアタシもいっしょに理璃子で遊んでやることにするわ!キリキリキリィィィ!」

グリーンカマキリも同調し、嬉しそうに声を上げる。

「理璃子って誰よ?ちょっと、アタシも混ぜてよ、ビビビビビィ!」

先ほどからほったらかしにされているカッコウのオレンジスズメバチが不満そうだ。

無理もない。

グリーンカマキリとゴキブリブラウンはさすが、夫婦だけあって体が馴染んでいるのだ。

壁のモニターを覗き込みながら言葉を交わす間にも、いつの間にかゴキブリブラウンの極大肉棒はグリーンカマキリのわき腹から生えている小腕に絡めとられ、その濡れそぼった股間にぬっぷりと挿入されていたのだ。

ゴキブリブラウンも、鋭い爪の生えた両腕を、まるで哺乳動物の肉球のような物質に変態させ、その柔らかい感触をグリーンカマキリの股間からいやらしく突起している陰核にニチニチと与えている。

そして、もう片方の腕にはハエのようにビッシリとした触毛を発現させると、グリーンカマキリのカタチのよい巨乳を鷲掴みにして揉みしだいているのだ。

細かい繊毛の微妙な感触がグリーンカマキリを狂わせる。

「あら、ごめんなさい・・・はぁ・・・ん・・・うふふ・・・」

オレンジスズメバチのツン状態が醸し出すキュートな色気に興奮したグリーンカマキリは、突然に嬌声を上げ始める。

ますますオレンジスズメバチを無視してゴキブリブラウンと楽しみに耽るカタチになった。

「グゲゲゲゲッ!おっと・・・これはこれは知らぬうちに!グゲゲゲゲッ!」

口ではそう言いながら、腰の動きはますます激しくなっているゴキブリブラウン。

 

ドブリュリュリュッ!!!!

 

部屋中に響きわたる爆射の精を思う存分放ち尽くすゴキブリブラウン。

そしてその全てを人間時の数十倍の快楽感度を持つ魔陰唇で受け止めるグリーンカマキリ。

「はふぅぅん・・・あは、オレンジスズメバチぃ、おこらないでぇ。あとで穴埋めするかラァ・・・」

極楽浄土でまぐわいをするような禁断の悦楽に耽溺した表情でだらしなくその貌をオレンジスズメバチに向けるグリーンカマキリ。

変態前の絵美子の面影が僅かに残るだけに、その変貌ぶりが信じられないほどだ。

「わかったわよ、それより、あの娘をどうするつもりなの?

 いい加減、中に入れてあげないと怪しまれるわよ。」

オレンジスズメバチは至って冷静に事に対処し始めた。

「そうだな、まずはコラージュソフトで確認してからだ。

 それによってその後の展開が変わってくる」

ヌルヌルの肉棒をグリーンカマキリの股間からヌボッと抜き取り、残滓が床に零れ落ちるのも構わず、ゴキブリブラウンは卓上のパソコンの歩み寄った。

「そうね、ウフフ・・・、いずれにしても、楽しみダワ」

あとから続いたグリーンカマキリが、パソコンを操作し始めたゴキブリブラウンの隣に腰掛ける。

「あたしはどうすればいいの?」

しま模様に彩られた大きなヒップを揺らして、同心円状の模様のついた巨乳をテーブルに押し付けるようにパソコン画面を覗き込もうとするオレンジスズメバチ。

「やってみるか?オレンジスズメバチ?」

コラージュソフトが立ち上がったタイミングでノートパソコンの画面をオレンジスズメバチのほうへ向け、ゴキブリブラウンがオレンジスズメバチに問いかけた。

「あら?いいの?」

意外な展開に、ちょっと嬉しいオレンジスズメバチだ。

「かまわん、我ら魔怪人なら誰でもこれを使うことが許されている。やってみろ。」

「それは嬉しいわ。アタシも一度やってみたかったのよ。」

カタカタカタ・・・・・・

カチャッ!・・・・

理璃子に関するデータを二人に聞いてパソコンに入力を終えたオレンジスズメバチ。

「どうするの?こんな結果が出たけど・・・フフフ」

パソコンの画面をゴキブリブラウンとグリーンカマキリに向ける。

「ほぉー、そうか・・・よしよし、わかった。それじゃ話は簡単だ・・・クククッ!!」

ゴキブリブラウンのその言葉に、オレンジスズメバチもグリーンカマキリも顔を見合わせてニタリと微笑んだ。

つづく

  
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2010年09月08日

(休載のお知らせ)

※アイドルコラージュ2異聞編03は、作者体調不良のため休載です。

  
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2010年09月07日

アイドルコラージュ2異聞編03 〜その2〜

「あらあら、奈津美さん・・・いえ、オレンジスズメバチったらホントに好き者なんだからァ・・・」

オレンジスズメバチとゴキブリブラウンの痴態に、呆れるようにつぶやいた絵美子だったが、

「あは・・・ん・・・ごめんなさいね、絵美子さん・・・あたし我慢できなくなっちゃって・・・

でも・・・フフフッ・・・

絵美子さんこそ、そのお姿はどういうことかしら?」

と奈津美、いやオレンジスズメバチにカギ爪で指差されたその体は・・・

キリキリキリィィィ!!!イジワルね、奈津美さんったら

アナタのそんな姿を見せられて平気でいられるはずがないでしょう?

この素敵なボディライン・・・すっごくいやらしい・・・羨ましいわ・・・キリキリキリィィィッ!!!

と、すでにグリーンカマキリと化していたのだった。

鋭く釣り上がった大きな複眼をギョロギョロと動かしながら、両腕の大鎌を誇らしげに開閉している。

完全変態した絵美子、卑猥に絡み合っているゴキブリブラウンとオレンジスズメバチのほうにゆっくりと歩み寄る。

ええっ?・・・あん・・・うそっ!?・・・

 ああっ!ダメっ!・・・鎌で・・・

 鎌で甘噛みされるとたまらない!・・・くぅッ・・・・ンン!!!」

嬌声を上げるオレンジスズメバチ。

グリーンカマキリに後ろから抱きつかれ、乳首を大鎌で軽く挟み込まれたのだ。

そればかりか、グリーンカマキリの豊満な乳房が、すっかり潤いを湛えたオレンジスズメバチのヌメヌメの秘唇を掻き分け、ぱっくりと開いた陰唇の奥底へと割って入る。

グリーンカマキリのコリコリに勃起した乳首がオレンジスズメバチの淫核を容赦なく責め立てるのだ

てっきり、グリーンカマキリがゴキブリブラウンの肉棒にしゃぶりつくと思っていたオレンジスズメバチは、完全に虚を突かれたカタチになった。

フフフ・・・不意打ちってとこよ、いかがかしら?オレンジスズメバチ?」

自らもすっかり上気し、欲情に釣り上がった複眼でオレンジスズメバチの痴態貌を覗き込み、得意げに囁くグリーンカマキリ。

「ああん、悔しい!やられたわぁ!グリーンカマキリったら・・・

絶対にゴキブリブラウンにおしゃぶりしてあげるのかと思ってたのにぃ・・・

これじゃすぐにイっちゃいそうよッ!!ダメェッ!!・・・ビビビビビィィ!!」

オレンジスズメバチはたまらず、同心円に彩られた豊かな巨乳をユサユサと揺らしながら、股間からドクドクと愛淫液を噴きこぼし始めた。

オレンジスズメバチの愛淫液は、グリーンカマキリの乳房から腹部を伝わり、大きくせり出した臀部から床に滴り始め

ゴキブリブラウンの淫油液とオレンジスズメバチの愛淫液がグリーンカマキリの皮膚の上で混ざり合い、卑猥な匂い増してゆく。

熟女ゆえ、うっすらと皮下脂肪を湛えたグリーンカマキリの腹部は、オレンジスズメバチほどではないにしろ、それでもしっかりと引き締まっている。

柔らかな肉質の上に、劣情の光沢を塗り拡げ、グリーンカマキリの体表はますますいやらしさを増す。

「ああッ!・・・ンンッ!!!」

オレンジスズメバチが一際大きく淫蕩な嬌声を放つ。

グリーンカマキリはオレンジスズメバチの全身がビリビリと微かに震えているのを見逃さず、

「あら?オレンジスズメバチったら軽くいっちゃったみたいね・・・じゃぁ、お次は・・・」

と、興奮し、上気の極みといった情で、妖しく釣り上がったカマキリ特有の大きな複眼をさらに釣り上がらせ、熱い吐息とともにさらにオレンジスズメバチを追い込もうとする。

「グゲゲゲゲッ!おいおい、お前たち!オレを忘れちゃいないか?グゲゲゲゲッ!」

すっかり二人だけの桃源郷に行ってしまったグリーンカマキリとオレンジスズメバチを、ゴキブリブラウンがたしなめる。

すでにオレンジスズメバチの甘爪攻めはグリーンカマキリの激しい責めで空ろになってしまい、ゴキブリブラウンの肉棒は中途半端に放り出されて大いなる欲求不満状態だ。

その先端から悦楽を求める先走り淫液が、ダラダラと溢れ垂れ、刺激を求めて猛り狂っている。

「キリキリキリィィッ!!あら、妬いているの?ゴキブリブラウン?

大丈夫よ、こんなのはほんのご挨拶

これからアタシタチ二人がかりでたっぷり愛してあげるワッ!

ねぇ?オレンジスズメバチ?キリキリキリィィィ!!

グリーンカマキリの甘鎌攻めにすっかり快楽落ちしてしまったオレンジスズメバチは、不覚にも肩で息をしている。

グリーンカマキリの情欲の誘いにもすぐさま反応できな

「ええ・・・もちろん・・・でも、この調子じゃアタシももたないわ・・・

 グリーンカマキリったら、最近ますますテクあげてるんだモノ・・・

 今夜はゼリー幼虫にたっぷりと栄養をもらわなきゃね!フフフフッ!」

オレンジスズメバチは部屋の片隅に控えさせていたゼリー幼虫を傍らに呼び寄せると、おもむろに自らの巨乳の谷間にゼリー幼虫を挟みこみ、グニグニとパイズリをし始めた。

「ジェリジェリジェリ〜ン・・・あああ、オレンジスズメバチ様・・・たまりません・・・

もっと、もっと、強く責めてくださいませ・・・あああ・・・たくさんたくさん出そうです・・・ジェリジェリジェリ〜ン!!!」

オレンジスズメバチによるパイズリの快感に全身を痙攣させたゼリー幼虫は、その体表面から芳醇な香りの特濃ローヤルゼリーをジクジクと滲み出させる。

やがてそれはゼリー幼虫の全身を覆い、滑剤となり、オレンジスズメバチの巨乳との摩擦係数をさらに小さいものとしてゆく。

それに伴い、ヌチャヌチャと、ふやける様な悦楽が、ますますゼリー幼虫に印加されてゆく。

さらに、パイズリフェラをするような格好で、オレンジスズメバチが巨乳の谷間のゼリー幼虫の頭部にむしゃぶりつくのだ。

左右に割れた大顎でカチカチと音を立てながらローヤルゼリーを啜(すす)り出す。

凄まじい太さの巨根に、全身でその肉頭にフェラチオをしているような錯覚を起こさせる激猥な情景が繰り広げられるのだ ―

  
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2010年09月06日

アイドルコラージュ2異聞編03 〜その1〜

樺崎家 ―

いや、ゴキブリブラウンとグリーンカマキリによる、デスエロンの「細菌培養散布計画」の実行アジトとでも言ったほうがよいか。

今日もその計画実行に向けてゴキブリブラウンとグリーンカマキリの綿密な打合せは続く。

「・・・ふむ、この場所とこの場所にそれぞれ10万匹のゴキブリを発生させるか。

 それと、ここには5万・・・」

などと、テーブルに地図を広げ、赤い印を付けてゆく。

どうやら、細菌媒介のゴキブリを配置する場所を検討中のようである。

二人とも人間の姿に「擬態」しているため、傍から見れば普通の夫婦である。

地図を眺めているのも、連休の予定でも相談しているのかという感じである。

そして、今夜は「害虫対策委員会」のメンバーである橙野夫妻も同席している。

「害虫対策委員会と称してこんなことやっているなんて、誰も思わないでしょうね、フフッ」

橙野奈津美が切れ長の目を細めて妖しく微笑んだ。

「まったくだ。着々とゴキブリを増やしてゆき、細菌をどんどんばら撒くのだ。

 それがまさかこんな街中で進んでいるとは誰も思わんだろう。」

と、樺崎が言えば、

「ええ、それも虫も殺さないような橙野さんご夫妻がいっしょなんですもんネェ・・・クスクス・・・」

と、妻の絵美子が応える。

「あら、虫も殺さないですって?あたりまえでしょう?虫たちはアタシたちの大事な仲間なのよ。

くだらない人間どもよりもはるかに大切だわ。わかってないようね、グリーンカマキリったら・・・」

奈津美が戯れにふくれてみせる

しかし、淫猥な含みを持たせた妖しい微笑みを、その美しい貌から絶やすことはな

「あら、ごめんなさい。そうよね、ふふふ、アナタは蜂、アタシはカマキリ、そしてうちの主人は・・・」

ガタガタッ・・・!

絵美子がそこまで言うと、地図を広げていた目の前のテーブルが、大きな音を立てて跳ね上がった。

「きゃあッ!?・・・あ、アナタ・・・いったいどうしたの?」

驚くのも無理はない。

いつのまにか樺崎は、ゴキブリブラウンに変態し、股間から隆々とした肉棒を突出させていたのだ。

テーブルが跳ね上がったように見えたのは、その禍々しくも逞しいゴキブリブラウンの淫具が持ち上げていたからに他ならない。

バカ者め!擬態しているときには名前に気をつけろと言っただろう!

見てみろ!女魔怪人の名前に反応してしまったじゃないか!どうしてくれるんだ?グゲゲゲゲッ!!」

奈津美を怒鳴りつけるゴキブリブラウン。

鋭い爪の生えた節くれ立った黒光りする腕で、ガッシリと自分の凶器を握り締め、奈津美と絵美子の前でブルブルと振って見せる。

その様子にあっけにとられる絵美子と奈津美。

すっかりゴキブリブラウンに変態してしまった樺崎を、しばしぽかんと見つめていた。

しかし、すぐに落ち着きを取り戻すと、まずは奈津美が、ゴキブリブラウンのほうへと歩み寄る。

「これはこれは、樺崎のご主人・・・大変失礼いたしました・・・

お詫びは私のこのカラダで是非・・・ウフフフフ・・・」

言いながら妖しくも艶やかな手つきでゴキブリブラウンの黒光りする頭をなで始める。

そうしてそのまま、その白く美しい細腕をゴキブリブラウンの体躯に絡めながら、ツツーッと背中と腹部両面を撫でさするように下へ下へと走らせて行く。

同時に自らの太股にゴキブリブラウンを挟み込み、股間の敏感な部分をゴキブリブラウンの体表の突起物にこすり合わせるのだ。

「はぁーん、ゴキブリブラウン・・・この色艶がたまらないのよねぇ・・・フフッ・・・ウフフフフッ!!・・・・」

上気した貌をゴキブリブラウンに近づけ熱い吐息を吹きかけながら、奈津美はそのままの体勢でオレンジスズメバチに変態し始める。

興奮度がピークに達しているのだ。

抜群のプロポーションを誇る奈津美のくびれた腰がさらに引き締まり、むくむくと先端が突出してくる。

両脇腹から新たな1対の中脚が生え、両手両足は鋭いカギ爪を備え黒い光を放ち始め

背中からは美しい薄い4枚の羽が生え、目は複眼となり、眉間には単眼がりあがる。

最後に口がガバっと縦に割れると、太く鋭い牙を持つ大顎が形成されるのだ。

「ビビビビビィィィ!!!ああーん!やっぱりこの姿が最高よねぇ!ビビビビビィィ!」

オレンジスズメバチに変態した奈津美は左と左中の2本を駆使し、その腕でゴキブリブラウンの肉棒をガッシリ掴むのだ

鋭い爪で甘く先端を小突きながら、右腕はしっかりとゴキブリブラウンの背中を抱きしめて自らの股間の密着をさらに確実なものとしてゆく。

「お、おぅ・・・!たまらんぞ、オレンジスズメバチ!お前のその甘爪!くぅぅ・・・

 亀頭からの痛痒快感が背筋を走り抜けるわ!グゲゲゲゲッ!」

ゴキブリブラウンがオレンジスズメバチの超絶テクに相好を崩して下品な笑いを撒き散らせば、

「アナタのコレ逞しすぎ生半可な手コキじゃ感じないでしょうからね・・・

これぐらいキッついのじゃないとダメよ!ビビビビビィィ!」

と、オレンジスズメバチも大顎から淫靡に染まった真っ赤な舌をペロリと出してニタリと笑う。

早くも二体の魔怪人は悦楽のうねりの中へその身を投げ出し、ドロドロの大海原を泳ぎ始めた。

ゴキブリブラウンの体表からは、ゴキブリらし興奮の淫油液ジトジトと滲み出してくる。

それらはすぐに液玉になってトロリトロリと、オレンジスズメバチのカラダにも滴り落ちる。

劣情の淫液玉が、オレンジスズメバチの美しい曲線を描く体表面に、幾筋もの液条を作り出してゆくのだった。

つづく

  
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2010年08月29日

アイドルコラージュ2異聞編02 〜その3〜 最終回

「いやだわ、あなた、何を言ってるの?失礼よ・・・」

博也の慌てぶりとは裏腹に、いや、まったく意に介さずという調子で奈津美は言った。

「な?なんだって?奈津美?」

博也は、奈津美をかばうためゴキブリブラウンとグリーンカマキリのほうを見据えていたが、奈津美のほう少しだけ振返り、聞き返した。

「ゴキブリブラウンとグリーンカマキリが化け物ですって?まったく失礼だわ・・・

 やっぱりアナタは適性がないって、本当のようね・・・クスクス」

博也は耳を疑った。

ゴキブリブラウン?

グリーンカマキリ?

なんだそれは?

こいつらの名前か?

なんで奈津美がそんなことを知っている?

それに、どうしてこの状況で笑っていられるんだ?

恐怖のあまり頭がおかしくなったのか?

「お、おい、奈津美・・・お前、何を言って・・・?」

眼前の恐怖をもたらす存在も忘れて奈津美を振返り、あっけにとられる博也だ。

「グゲゲゲゲッ!ご主人!言ったでしょう?

 私たちの正体を見たら普通の人間どもは腰を抜かすって!グゲゲゲゲッ!」

同じような言葉を繰り返すゴキブリブラウン。

その言葉に再び後ろを、ゴキブリブラウン達を振戻る博也。

「キリキリキリィィィッ!!ええ!アタシも言ったわよッ!

 アタシたちの姿を見て驚かないのはアタシたちの仲間だけだってネッ!!キリキリキリィィィッ!!」

グリーンカマキリも後を続ける。

「ど、どういう意味・・・ま、まさか・・・?」

化け物たちの言葉によって博也の脳裏に喚起されるのは ―

「うふッ・・・うふふふふッ・・・・・・」

突然笑い出す奈津美。

「な、なつみ・・・?」

その声にハッとなり、博也は奈津美のほうへ向き直る。

「ウフフフフッ・・・・あー、なんていい気分なのかしら・・・あはぁ・・・ん・・・」

酔っぱらってハメを外しているかのような仕草で、奈津美は着ているものを自らの手によってビリビリと破いてゆく。

ものすごいチカラだ。

まるで紙くずのようにボロボロに破かれてゆく奈津美の衣服。

博也は突然始まった奈津美のストリップショーに言葉を失い、眼が釘付けになるばかりだった。

「すごいわぁ・・・すごいのぉ・・・ウフッ、ウフフフフッ!!」

奈津美はいよいよ狂ったようにヘラヘラと笑い出した。

そしてカッと目を見開いたかと思うと、自らの眼球をグリグリと廻して見せるのだ。

「な、奈津美・・・」

博也には何が起こったのかまだわからない。

奈津美は本当におかしくなってしまったのだろうか・・・?


ビョコッ!・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

ベチャッ!!!!


「げッ・・・げぇぇッ!な、奈津美ぃッ!?」

それまでグリグリと蠢いていた奈津美の眼球が、突如として不快な音とともに眼孔から飛び出し、そのままベッチャリと顔の上半分に張り付いたのだ。

そして、見る見るうちに硬質の光沢質に変貌してゆく。

無数の細かい点々が表面にちりばめられた、昆虫のような複眼がみるみる形成されてゆくのだ。

その大きな二つの複眼の間からは黄色と黒の横縞模様の、先端の丸い太い触角が突き出てきた。

背中からは透明な4枚の羽が生え出し、臀部は大きく膨らみ始め、ウェストはさらにキュッと括れてゆく

奈津美の両手両脚の先端には鋭い鍵爪が伸び、顎は縦に割れて何ものをも噛み砕く強靭な外顎が形成された。

肉付きの良いふくよかな乳房には、乳首を頂点に同心円状の縞模様が浮かび上がる。

すぐに全身には黄色と黒の縞々模様のふさふさとした毛が生え始め、暫くすると、熟れきった乳房とヘソの部分、そして、太腿と二の腕だけを残して全身がすっかり毛に覆われる。

突き出た臀部の先端には、狙った獲物に強力な毒液を注入することができる禍々しい毒針がすでに準備されている。

そう、すでに奈津美は、ゴキブリブラウンの操るコラージュソフトによって、デスエロンの女魔怪人に改造されていたのだった。

「う、うわーッ!そんなばかなッ!な、奈津美ッ!お前までっ!ど、どうしてッ!?」

思わず奈津美から離れようとする博也。

それを、両脇腹から新たに生え出た一対の肢で羽交い絞めにする奈津美。

「うッ・・・うぐッ・・・!」

すぐに博也の自由が奪われる。

「ビビビビビィィッ!!奈津美ぃ?誰のことだいそれは?

 アタシはデスエロンの女魔怪人、オレンジスズメバチさッ!」

身も心もすっかり改造され尽くした奈津美は、デスエロンの女魔怪人として生まれ変わった我が身を誇らしげに見せ付けながら、高らかに名乗りを上げた。

そして、たった今まで我が愛する夫であった博也を、まるで奴隷でも見るような目つきで睥睨するのだ。
「ほらっ!オマエも少しは我がデスエロンの役に立つように私が改造してやろう!ビビビビビィィッ!!」
オレンジスズメバチと化した奈津美は、即座に巨尻を博也に向けると、その先端からニョキッと毒針をせり出させ、そのまま博也に突き刺した。
「ぐッ!・・・・ぐあァァッ!」
悲鳴を上げ、悶絶して博也はそのままその場に硬直する。
見る見るうちに博也の全身に変化が現れる。
目、鼻、口がドロドロに溶けてなくなり、腕や脚もどんどん退化してゆく。
全身にモコモコとした横筋が入り、まるで巨大な蜂の幼虫のような姿に変えられてしまったのだ。
やがてその場に立ってはいられなくなり、ドタッという音とともに床に倒れこんだ博也。
いや、博也だった物体は、全身からジュクジュクと粘液を分泌し始める。
そして、床に横たわったそのままの体勢で、オレンジスズメバチと化したかつての我が妻奈津美にこう言うのだった
「ジェリジェリジェリ〜ン・・・オレンジスズメバチ様・・・
 私めはオレンジスズメバチ様の忠実なる僕にしてロイヤルゼリーの献上者にございます。
 どうか、私めの作り出すロイヤルゼリーをお召し上がりくださいませ・・・ジェリジェリジェリ〜ン・・・」
かつての妻、奈津美の手によって、博也はロイヤルゼリーを分泌するゼリー幼虫と化したのだった。
そして、博也をゼリー幼虫に作り変えた奈津美は、その恭しい忠誠心に満足げに微笑むのだ。
「ビビビビビィィィッ!よしよし、かわいいよ、お前、フフフッ!
 これからはそうやってこのオレンジスズメバチ様においしいロイヤルゼリーを献上するがいい。
 そうすれば、これからも可愛がってあげるワ!・・・ウフフフフッ!
 さぁ、ゴキブリブラウン、グリーンカマキリ!酒の肴にロイヤルゼリーはいかがかしら?
 今夜は思い切り楽しむんでしょう?
 それにはたっぷりと精をつけておかなくっちゃね!ウフフフフッ!」
黒い毛に覆われた美しい肢体の中で無防備に露出したふくよかな乳房をブルンと震わせながら、股間の淫裂から肉付きの良い太腿に向けて夥しい量の愛液をトロトロと垂れ流すオレンジスズメバチ。
女魔怪人と化し、この上もなく発情し始めている証拠だった。
「キリキリキリィィィッ!素敵だわッ!オレンジスズメバチ!
 とてもセクシーな女魔怪人に生まれ変わったわね!
 ねぇ、アナタ?キリキリキリィィィッ!!」
グリーンカマキリも喜んでゴキブリブラウンを振返る。
「グゲゲゲゲッ!まったくだ!ここまで素晴らしい適性の持ち主がこんな近所にいたとはなッ!
オレンジスズメバチよ!これからはデスエロンの仲間としてよろしく頼むぞッ!グゲゲゲゲッ!」
奈津美の美しいボディラインをそのまま残した新しい女魔怪人を前に、ムクムクと股間の屹立を聳え立たせ始めるゴキブリブラウン。
グリーンカマキリに負けず劣らずの妖艶な女魔怪人の誕生に、ゴキブリブラウンもたまらなく興奮しているようだ。
「ビビビビビィィィッ!!もちろんよッ!こちらこそよろしくぅッ!フフフフフッ!」
言うが早いか、オレンジスズメバチはゴキブリブラウンの禍々しい極棒にむしゃぶりついてゆく。
その後ろからはグリーンカマキリが抱きつき、オレンジスズメバチの淫らな乳房を揉みしだく。
その情景を見て興奮したゼリー幼虫は、ますます全身からロイヤルゼリーを分泌するのだ。
こうして、橙野夫妻は女魔怪人オレンジスズメバチとその忠実なる配下のゼリー幼虫と化し、デスエロンの一員としてゴキブリブラウンやグリーンカマキリとともに、「細菌培養散布計画」の実行メンバーとして活躍することになったのだった。

  
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2010年08月28日

アイドルコラージュ2異聞編02 〜その2〜

「ふわ・・・もうこんな時間か・・・そろそろお暇(いとま)しなくっちゃ・・・」

すっかり酔いのまわった博也が、あくびをしながら腕時計に目を落とす。

「あら、ホント・・・そうね、あなた、失礼しましょう」

ダイニングの壁にかかっている時計を見ながら、奈津美も調子を合わせた。

「おや、もうお帰りですか?
 それじゃ最後にちょっとしたゲームでもやってゆきませんか?」

そう言った樺崎は、どこから取り出して来たのか、いつのまにかその手にノートパソコンを持っている。

「なんですか?・・・パソコン?・・・
 どんなゲームですか?」

早く帰りたかった博也だったが、とりあえず興味があるフリをして樺崎の持つパソコンに視線を移す。

「まぁ、ちょっとした占いのようなものですよ」

樺崎が博也をチラリと見た後、その手の中でパソコンを操作し始める。

「あら、占いなんて意外・・・樺崎さんのイメージとちょっと違いますね・・・
あら、あたしったら、ごめんなさい、フフッ」

酔っているせいか、奈津美も樺崎に対して心なしか軽口になっている。

「ええ、そうなのよ、この人ったら見かけによらず少女趣味でしょう?
 変ですよねぇ・・・クスッ」

と、絵美子が奈津美の軽口につきあう。

「いえいえ、私も実はそういうのには興味がありましてね・・・」

とりあえず話をあわせて場をつなぐ博也。

「ふむふむ・・・
 ほほぉ、奥さんの奈津美さんはバッチリ適性アリですな・・・

 ご主人のほうは、と・・・
 おやおや、残念・・・」

二人には説明もせず、パソコンの画面を見ながら一人で勝手に操作を進める樺崎だ。

当然、博也と奈津美には樺崎の言っている意味がわからない。

しかし絵美子には理解できているのか、黙って笑みを浮かべ、樺崎の言葉に頷いている。

「いやだわ樺崎さん、適性とかなんとかって・・・
 いったい、何の占いなのかしら?

 私たちには占いの結果って見せて下さらないの?」

と、ちょっぴり不満げな表情をしてみせる奈津美だった。

もちろん単なるゼスチャーだったが・・・。

その言葉を聞いて樺崎がニヤリと笑う。

それはまるで、「待っていました」と言わんばかりの表情だった。

「いえいえ、もちろんお見せしますよ・・・
 ほぉら・・・ゲヒヒッ!」

「え?」

瞬間、それまでの樺崎にはない、下卑た笑いがその口から漏れる。

ゾクッ・・・

その笑いのあまりの不気味さに、背筋に異常な悪寒を感じる奈津美たち。

同時に、樺崎によって向けられたパソコンの画面に、二人の視線は釘付けになるのだった。

「な・・・なんですか?これ?・・・」

そこには博也と奈津美の全身像が並べられていたのだ。

一体いつ撮ったのだろう?

しかし、単なる全身像ではなかった。
どういうわけか、博也のほうには赤い太い線で大きく×印が付けられており、奈津美のほうはトリミングのような破線で全身を囲われているのだ。

その画面の意味を理解する間もなく、樺崎が説明を続ける。

「これをこうして・・・こうすると・・・
 ほぉら・・・奥さんがもっと素敵になったでしょう?・・・グゲゲゲゲッ!!」

樺崎は向かいに座っている博也と奈津美に画面を向けたまま、器用にパソコンを操作して見せた。

下卑た笑いを撒き散らしながら・・・。
そうして、画面の中に表示された画像を見た博也は、思わず口を開いた。

「ちょ、ちょっと・・・樺崎さん、なんか悪趣味ですよ、コレ・・・」

博也がそう言うのも無理はない。

なんと画面の中では、奈津美の首から下が、どこからインポートしてきたのか、大きなスズメバチの写真と合成され、挿げ替えられていたのだ。

まるで昔のB級ホラー映画のように、巨大なスズメバチの体の上で、奈津美の美しい顔がアンバランスにチョコンと乗っかっている。

「これって、ちょっと前に世間で問題になったなんとかコラージュっていうやつでしょう?

 しかも、スズメバチなんかと奈津美を合体させて何がおもしろいんですか?」

博也が少し語気を強める。
PCの画面から樺崎に視線を移し、その顔を睨みつける。

「あ、あれ?・・・」

そのとき、ほろ酔い加減の自分の脳裏に投影された、樺崎のその顔の造型に、博也は異常な違和感を覚えた。

博也が見上げた樺崎の顔は、ついさっきまでのそれとは明らかに異なっていたのだ。

どういうわけか、博也には樺崎の顔が巨大なゴキブリの顔に見えた。

「へ、変だな・・・酔ったかな?樺崎さんの顔が・・・?」

博也はゴシゴシと自分の目をこすってみる。

「グゲゲゲゲッ!私の顔がどうかしましたかな?ご主人ッ?」

樺崎の下卑た笑いが先ほどよりも明瞭に大きく響く。

すでに樺崎はデスエロンの魔怪人ゴキブリブラウンとしての正体を現し、博也の眼前に迫っていたのだ。

「キリキリキリィィィッ!!ウチの主人の顔がどうかいたしまして?」

奇怪な声を発しながら、絵美子も博也に聞き返す。

その声にはっとなり絵美子のほうを見やる博也。

絵美子も樺崎に続くように女魔怪人グリーンカマキリに変態し始めている。

そうして、口元から伸ばした大きな牙を左右にバクバクと動かしながらニタリと笑ってみせるのだ

「ああ・・・そ、そんな・・・う、ウソだろ・・・
 お、俺、そんなに飲んだかな・・・?」

酔いのせいと思いたかったが、言いようの無い恐怖が全身を支配し始め、博也は思わず立ち上がる。

ガタンと大きな音を立ててイスが倒れた

その音に、幻覚と現実が次第に分離し、目の前に起こっていることが紛れもない事実であるという実感が、明瞭に博也の脳裏に焼きついてきたのだった。

「グゲゲゲゲッ!ご主人ッ!ご主人は酔っ払ってはいますが、気はたしかですよ!

 私たちの正体を見たら普通の人間どもはご主人のようにビックリするでしょう!

 なぁ、絵美子ッ?!グゲゲゲゲッ!」

全身を揺すりながら高らかに笑う樺崎、いや、ゴキブリブラウンだった。

触角がヒュンヒュンと空を切り、黒光りする背中の羽がワサワサと揺れている。

「キリキリキリィィッ!ええ、アナタ・・・その通りよ・・・フフフッ・・・

 アタシたちの姿を見て驚かないのはアタシたちの仲間だけッ!キリキリキリィィッ!!」

グリーンカマキリに完全変態を遂げた絵美子も、大きな鎌手を振りかざし、ゴキブリブラウンとともにキリキリ笑う。

「うわぁぁッ!!!!ばッ、・・・化け物ッ!!!

 奈津美ッ!逃げろッ!!!逃げるんだッ!

 な、何がなんだかわからないが、とにかく逃げるんだッ!」

目の前の出来事が夢ではなく現実であると完全に認識した瞬間、博也はその恐怖に堪え切れず絶叫していた。

後ずさりしながら逃げようとするが、イスに蹴躓(けつまづ)いてその場に倒れこむ

ガタタタッ・・・!!!


ダイニングの床でもんどりうって反転した後、目の前に見えた奈津美の脚に手をかけて急いで起き上がる。

そうして、かばうようにして奈津美を戸外へ連れ出そうとするのだが・・・


肝心の奈津美がその場から動こうとはしなかった ―

つづく

  
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2010年08月27日

アイドルコラージュ2異聞編02 〜その1〜

ゴキブリブラウンは、デスエロンの世界征服のためのプロジェクトの一つ、「細菌培養散布計画」の実行を任命された。

その事前テストとして、自宅周辺の家屋の庭に、ゴキブリを一時的に大発生させた。

ゴキブリを操り、培養された細菌を散布しようという目論見である。

付近一帯の住民は、ゴキブリの大発生によって軽いパニックに陥るが、それは一過性のものであり、騒ぎはすぐにおさまった。

その後すぐに、住民たちによって構成されている自治会で、「害虫対策委員会」なるものが立ち上げられ、発生箇所周辺に殺虫剤を散布することになった。

委員会のリーダーは樺崎家が務めることになり、サブリーダーは橙野(とうの)家と決まった。

橙野家は夫の博也(ひろや、33才)と妻の奈津美(なつみ、31才)の二人暮らしで子供はいない。

そのためか、結婚後5年経った今でもアツアツの夫婦仲で、二人とも所帯じみておらず若々しかった。

奈津美も31才とは思えない肉体の張りとツヤを保ち、豊満な肉付きの魅力的なバストの持ち主でありながら、そのウェストはまるで蜂のようにキュッとくびれている。

ジーンズ姿で外を歩くと、たいていの男性は必ず一度は振返るほどだ。

実は、住民の中でただ一人、ゴキブリの発生箇所に不審を抱いた主婦がいたのだが、それがこの橙野奈津美だった。

奈津美は、ゴキブリが樺崎宅を中心に発生していたような気がしてならなかったのだ。

それで、樺崎とゴキブリ発生事件の間に、何かつながりがあるのでは?と疑い始めていた。

第一、自治会で委員長を選出するときに、大企業の課長でいつもは多忙なはずの樺崎源次郎が自ら立候補したのも解せない。

(以前は樺崎さん、自治会の活動にはあまり協力的じゃなかったのに・・・

 もしかして、何か変なことをやってゴキブリを大量に発生させちゃったんじゃないかしら?

 あ、まさかまさか・・・ゴキブリを飼っているとか?)

それで、証拠とか隠滅するために自ら対策委員長を買って出た・・・

そんなふうに考えると、さまざまな想像が広がってしまい、ついには奈津美の頭の中に、ゴキブリの巣窟となった樺崎宅が出来上がっていた。

「え?打合せ?」

ある夜のこと、夫の博也からもちかけられた話に、奈津美は思わず聞き返した。

「ああ、次の土曜日に委員会の活動について打合せをしたいんだって。ウチに来てくれってさ。」

「“ウチ”って・・・樺崎さんちってこと?」

奈津美が恐る恐る尋ねた。

「うん、そういうことになるね」

「いやよ、そんなの。まさかとは思うけどあのウチ、家の中にゴキブリをたくさん飼っているんじゃない?

 ほら、前に話したでしょ?ゴキブリがたくさん発生したのって、あの家の周りが一番多かったのよ」

博也の答えに、奈津美は少々語気を強めてそう言った。

「ああ、その話はたしかにもっともらしいと僕も思ったんだけど・・・でもまさか、うちの中にゴキブリを飼っているなんてことは・・・とにかく向こうはリーダーでうちはサブリーダーなんだ。今期は委員会の活動から逃げられそうもないからなぁ・・・この打合せにしたって理由もなしに断るわけには・・・」

奈津美の言葉に半ば納得しながらも煮え切らない博也だ。

「わかったわ・・・仕方がないわねぇ・・・まぁ、あなたといっしょに行くんだし・・・

 あのウチで何かあってもちゃんと守ってくれるんでしょうね?」

ブツブツ言っている博也の態度を、奈津美の言葉が遮った。

「ああ、もちろんだよ」

やれやれといった感じで博也が頷く。

 **************


その晩、樺崎家で打ち合わせが行われたが、その内容は至って簡単なもので、むしろ、委員会発足の最初のご挨拶のようなものであった。

「とりあえず今回はこれぐらいにして・・・どうですか?今から一杯、これでも・・・」

普段は気難しそうに見える樺崎が、博也と奈津美の二人に向かって軽い動作でお猪口をひっかける仕草をする。

「え?・・・一杯って・・・」

見ると、向かいのダイニングにはすでに酒宴の準備がされていた。

樺崎の妻の絵美子を合わせて4人で打合せをしていた部屋の、廊下を挟んだすぐ隣だ。

(あれ・・・?いつのまに?入ってきたときはあんな準備はなかったよな?)

博也が不思議に思っていると、絵美子と目が合った。

絵美子はニコリとしながら博也に言う。

「もちろん、“コレ“はお酒のことですわ。橙野さんもイける口なんでしょう?ささ、どうぞこちらへ・・・」

絵美子も軽く酒をひっかける仕草をすると、そのまま二人をダイニングへ案内する。

「え、ええ・・・」

樺崎夫妻の織り成す強引な流れに全く逆らえない博也と奈津美だ。

気がつくとメインテーブルのイスに腰を掛け、博也は絵美子に、奈津美は樺崎にそれぞれお酌をされていた。

狐につままれたような表情で、思わず博也と奈津美は目を合せてしまったが、とりあえず、コップに注がれたビールを口にした。

しばらくはギクシャクとした当たり障りのない会話が続いたが、アルコールの勢いもあってか、次第に二人の緊張はほぐれていった。

そうして、酒宴が始まって一時間。

そのころには4人はすっかりとうちとけていたのだった。

「いやぁ、橙野さんご夫妻がしっかりした方で安心しましたよ。お若いのに。

 これからはチカラを合わせて害虫を駆除してゆこうではないですか。」

樺崎が水割りを傾けながら言った。

「ええ、害虫は早く駆除したいですわ。」

と、奈津美が続ける。

そして、隣の博也に軽くウインクをする。

それは、

(私の思い過ごしだったみたい・・・結構普通の人だし・・・ね)

という意味のアイコンタクトだった。

博也にもすぐにその意味が伝わり、ニコリと笑ってみせた。

つづく

  
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